人類の考古学

諏訪 元 『化石からみた人類の進化』 進化学 5 「ヒトの進化」 岩波書店より

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 化石は、過去に実際に起こった進化現象の、最も直接的な証しである。
人間らしさとは何か、との問いに対する生物学的な理解の多くは、現代人と、例えば近縁の類人猿など、他の生物種との類似点と相違点を
さまざまな視点から科学的に追求することで深められてきた。そうした現生種の比較からどこまでが分かるのだろうか。仮にすべての遺伝子
ならびにより上位のネットワーク機能が解明され、形態にしろ、脳機能にしろ、人間の特徴の分子・細胞的基盤が理解されたとして、はたして
それだけでわれわれは満足できるのだろうか。・・・
 化石の記録がもたらす独自の視点の例としては、人類の起源期の進化様式を挙げることができるだろう。ここ10年ほどの間に発見されてきた、
600~400万年前の人類化石いより、人類の起源期の姿かたちに初めて光が当てられつつある。・・・

 近年では、人類の系統的歴史はいくたびかの分岐をも含んだ複雑な

     発見・
発表年
 発見地  約・・万年前 主な発見者  脳容量・石器   ・直立二足歩行と発掘の特徴 石器 通称
 1 猿人段階 ・アフリカ          
   サヘル猿人 2002 チャド  700~650     ほぼ完全な頭骨、ヒト的特徴と類人猿的特徴 無し  トーマイ
   オローリン猿人 2001 ケニヤ  600       ・・ヒト的特徴と類人猿的特徴 無し  
   ラミダス猿人カダバ亜種 2001 エチオピア 550           
   ラミダス猿人ラミダス亜種 1992  エチオピア・ミドルアシュ  440      4肢骨と頭骨、歯の一部    
   アナム猿人 1996 エチオピア・ツルカナ湖畔 420~390 ミーブ・リーキー        
   アファール猿人 1992  エチオピア・アファール地方  370~300 ドナルド・ジャハンソン 350ml・ 全身骨格の37%を発掘、女性。樹上生活も。   ルーシー
 2 アフリカヌス猿人