ホーム


属性-性質-性格_集計


    文献資料 岩波哲学・思想事典


 
  
属性 
  Eigenschaftー 『資本論』 属性  
(ヘーゲル「小論理学」 (諸)性質) 
 
  〔ラ〕attributum  〔英〕attribute


 【西洋】 広い意味では, ある対象を特徴づける性質を指す.たとえば花の色はその花の属性であり, 二本足であることや言葉を話すことは人間の属性であると言われる. またより限定された意味では, 属性とは実体の本質的な性質, すなわちその性質なしにはその実体を考えることができないようなものを意味する. この意味での〈属性〉は,一方では<実体>の概念と対比され,実体がそれ自体で存在しうるのに対し属性の存在は実体の存在に依存すること, および実体が文の主語に対応するのに対して属性は述語に対応することが強調される. また二方では, この概念は実体の偶然的なあり方を示す偶有性 ( accidens )や様態 ( modus )の概念と対比され,属性の内在的・必然的な性格が強調される. こうした実体と属性との,あるいは属性と偶有性や様態との区別は,いずれもアリストテレスに由来するものであるが, これらの区別に関するアリストテレスの用語法は明確とはいえず,属性の概念を発展させ,それに重要な意味を与えたのは中世のスコラ哲学者およびデカルト, スピノザなどの近代の哲学者であった.


 たとえばトマス・アクィナスによれば, 神はいかなる偶有性をも有しないが, 善や智恵などのようなある種の本質的属性は神に帰属すると考えることが
できる。ただし神の本質は、被造物の認識を通じて得られる概念とは違って無限で完全であるから、そのあり方は類比によってしかわれわれには理解できないという。一方デカルトは、神の属性よりもむしろ被造物である物体と精神の属性について論じ,物体の属性は延長,精神の属性は思惟であり,これに対して形,運動,数,時間,想像,感覚,意志などはいずれも単なる様態にすぎないと主張した。またスピノザは,神を永遠で無限な本質を表現する無限に多ぐの属性から成る実体であると定義し、こうした神の概念に基づいで,神の他に実体はなく,思惟や延長も神の属性であり,有限な存在者はその様態にすぎないことを論証しようとしたのである。
[佐藤徹郎]

**** *************