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資本論入門 創刊号 2016.02

2016年


       資本論ワールドへようこそ

 
   ゲゲゲの鬼太郎の水木さん 
 
  「
妖怪というものは、いかがわしく、とらえどころのないものである。逃げやすく、
   つかみにくい、そんなものはもともといないのではないか、という人もあるが、
   いないとも言いきれない。なにかいるのだ。


  「
妖怪というと、よくお岩の幽霊なんかまで仲間に入れて気味悪がる人もいるが、
   お岩は幽霊であって妖怪ではない。妖怪とは河童とか、海坊主とか、
   牛鬼とかいったもので、こわいけれども、どことなく愛嬌のあるものだ。


  「
妖怪を感ずるか、感じないかは、
   もって生れた“妖怪感度”とでもいうべきものによると思うのだが、
   感度の高い人と低い人とあるような気がする。
」 (『妖怪天国』筑摩書房)
 
 
 ■ 
商品の「価値」は、ゲゲゲの鬼太郎みたいだ
  
    「商品の価値」(『資本論』)が話題に登るとき、ゲゲゲの鬼太郎がひょっこり。
    皆さんも記憶されているいるでしょう、
    「妖怪のような」話から、商品の価値話しは始まるんです。
 「
われわれはいま労働生産物の残りをしらべて見よう。
  
もはや、妖怪のような同一の対象性〔gespenstige Gegenständlichkeit:具体性〕以外に、
   すなわち、無差別な人間労働の、いいかえればその支出形態を考慮することのない、
   人間労働力の、単なる膠状物 〔
Gallert:ゲル〕というもの以外に、
   労働生産物から何ものも残っていない。」

    水木さんの“妖怪感度の高い人、低い人”を思い出させるのですが、
  では、そもそも「商品の価値ってなんぞや」。こんな疑問を胸に秘めながら、
  謎解きワールドに皆さんをご招待したいと思います。どうぞ、ごゆるり散歩気分で、
   ちょっぴりこわ~い緊張感をもってご一緒しましょう。
  ・・・   ・・・  ・・・


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 これから1年間、入門編の資本論ワールド・世界旅行の旅に出かけます。

 長い旅路になりますので、お出かけ準備を入念に行なってゆきます。

 HPの文献資料と新着情報のほか、上記一覧表の各テーマを参照しながら、

 ガイドブック同伴で、快適な旅行となりますように
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『資本論』入門について

 第1章 編集方針

 『資本論』ワールドの特徴は、原典・引用文献に重点をおいています。
 目的は、
 1. できるだけ、本文そのものに慣れ親しむこと。
 2. 外国文献であり、日本文化とは「異質」であること。
 3. 著者マルクスの「思考の道筋」を追ってゆくこと。
 4. 「入門編」は、読者の一生の航路を決定すること。


 1年12回に分けて、『資本論』を読んでゆきます。
 日本語に翻訳された『資本論』は、西洋文化の伝統の軽視と誤解があり、
 マルクス・キーワードの復元を図ってゆきます。

 西洋思想の歴史を大きく4つに区分してあります。
 1. 古代ギリシャ文化
 2. 中世キリスト教神学
 3. 西洋科学史、とくに生命科学
 4. ヘーゲル哲学

 『資本論』は、第1章冒頭から「ギリシャ思想」の中心概念で始まります。
 「
社会の富は、「巨大なる商品集積〔集合・集まり〕」として現われ、個々の商品は、
 この富の成素形態として現われる。

  商品集積〔
集合・集まり〕と成素形態〔Elementarform〕とは、対概念(セット)です。
  この「成素」と「集合・集まり(集積は誤解を招くので要注意)」を <翻訳問題>として、
他の箇所で解説をしています。
 「個々の商品」が「成素Element}として現象している、
この「一行」は、『資本論』全篇・全体を貫くキーワードとなっています。
 このキーワードの理解には、アリストテレスの『形而上学(第一哲学)』 (古代ギリシャ哲学)が
要求されています。西洋文化にしめる「Element」は、伝統的に特殊な論理構造をもつ文脈で

使用される概念なのです。

  <注> 3月号・新着情報 「iPS細胞とは何か」 において、成素形態Elementarform と

       「細胞形態」の相互関連について、ご案内しています。


 毎月『資本論』を読み進めながら、大きく4つに区分された西洋思想を跡づけ、キーワードの
関連性を読み解いてゆきます。たどたどしい歩みのように思えるかもしれません。
 アリストテレスやトマス・アクィナスと一緒に

   「真理からそれることがはじめはほんのわずかであっても、
          先へすすめばそれがいよいよ大きくなるものだからである」