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 単純な価値形態の総体・・・・簡潔に歴史的に、論理的に
                  
         ・・・・ヘーゲル論理学の形式活動と形態化のために・・・

 
『資本論』第1章商品 第3節価値形態または交換価値

 
  
4 単純な価値形態の総体 A商品x量=B商品y量


   〔 商品価値の形式 : 商品の価値形態、またはその価値表現は、商品価値の本性から出てくる 〕


1.
 ある商品の単純な価値形態は、その商品の他のある異種商品にたいする価値関係に、またはこの商品との交換関係に含まれている商品Aの価値は、質的には商品Bの商品Aとの直接的な交換可能性によって表現されている。この価値は量的には、商品Bの一定量が商品Aの一定量と交換されうるということによって、表現されている。他の言葉でいえば、ある商品の価値は、「交換価値」として現示されることによって、独立的に表現されている。  

2. この章のはじめに、普通に行われているように、商品は使用価値であり、また交換価値であるといったのであるが、このことは、正確にいえば誤りであった。商品は使用価値または使用対象であり、また「価値」である。

3. 商品は、その価値が、その自然形態とちがった独自の現象形態、すなわち交換価値という現象形態をとるとともに、ただちに本来の性質であるこのような二重性として示される。そして商品は、この形態を、けっして孤立して考察するばあいにもっているのでなく、つねに第二の異種の商品にたいする価値関係、または交換関係においてのみ、もっているのである。だが、このことを知ってさえいれば、先の言い方は無害であって、簡略にするのに役立つのである。 ・・・・中略・・・・ (岩波文庫p.111)

     ・・・~・・・


  〔 A商品x量=B商品y量 : A商品に含まれている使用価値と価値との対立の単純な現象形態 

4. 商品Bにたいする価値関係に含まれている商品Aの価値表現を、くわしく考察すると、その内部において、商品Aの自然形態は、ただ使用価値の姿 Gestalt としてのみ、商品Bの自然形態は、ただ価値形態または価値の姿 Wertgestalt としてのみはたらいていることが明らかになった。それゆえに、商品の中に包みこまれている使用価値と価値の内的対立は、一つの外的対立によって、すなわち、二つの商品の関係によって示されている。

5. この関係において、価値が表現さるべき一方の商品は、直接にただ使用価値としてのみ、これにたいして身をもって価値を表現する他方の商品は、直接にただ交換価値としてのみ、働いている。それゆえに、ある商品の単純な価値形態は、その商品に含まれている使用価値と価値との対立の単純な現象形態である。


  〔 
商品の単純な価値形態(形式)は、労働生産物の単純な商品形態(形式) 〕

6. 労働生産物は、どんな社会状態においても使用対象である。しかし、ただある歴史的に規定された発展段階のみが、一つの使用物の生産に支出された労働を、そのものの「対象的」属性としてすなわち、その価値として表わすのであって、この発展段階が、労働生産物を商品に転化するのである。したがって、このことから、商品の単純なる価値形態は、同時に労働生産物の単純なる商品形態であり、したがってまた、商品形態の発展も価値形態の発展と一致するという結果になる。

7. 一見すれば、すぐ単純な価値形態の不充分さがわかる。この形態は、一連の変態Metamorphosen:注をへて、やっと価格形態に成熟してくる萌芽形態Keimform:胚芽、胎児なのである。 (岩波文庫p.113)

 (Der erste Blick zeigt das Unzulängliche der einfachen Wertform, dieser Keimform, die erst durch eine Reihe von Metamorphosen zur Preisform heranreift.)

 〔注: 変態metamorphosis(英語)・ブリタニカ国際大百科事典の解説〕
 多細胞動物の個体発生において,胚が直接成体にならずに,成体と異なる形態,生理,生態をもつ幼生を経て成体となる現象。ウナギ,カエル,昆虫,ウニ,ホヤなどは一般によく知られた例である。変態に際して前の組織はこわれ,新しい組織に置き換るが,この働きはホルモンによって支配されている。昆虫では幼虫から蛹を経て成体となる完全変態と,蛹の時期をもたない不完全変態があり,前胸腺ホルモンの支配を受ける。カエルでは甲状腺ホルモンが関与する。

  ・・・以下、省略・・・