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『資本論』 第1章 第3節 価値形態または交換価値


  
C 一般的価値形態 

  
2 相対的価値形態と等価形態の発展関係


1.
 相対的価値形態の発展程度に、等価形態の発展程度が応ずる。しかしながら、そしてこのことはよく銘記されなければならぬのであるが、等価形態の発展は相対的価値形態の発展の表現であり、結果であるにすぎない。

2. ある商品の単純な、または個別的な相対的価値形態は、他の一商品を個別的な等価にする。相対的価値の拡大された形態、一商品の価値の他のすべての商品におけるこのような表現は、これらの商品に各種の特別な等価の形態を刻印する。最後に、ある特別な商品種が一般的等価形態を得る。というのは、他のすべての商品が、これを自分たちの統一的一般的な価値形態の材料にするからである。

3. しかしながら、価値形態一般が発展すると同じ程度で、その二つの極たる相対的価値形態と等価形態の間の対立もまた発展する。

4. すでに第一の形態―亜麻布20エレ=上衣1着―がこの対立を含んでいる。しかしまだ固定してはいない。同じ方程式が順に読まれるか、逆に読まれるかにしたがって、亜麻布と上衣というような両商品極のおのおのが、同じように、あるときは相対的価値形態に、あるときは等価形態にあるのである。このばあいにおいては、なお両極的対立を固着せしめるのに骨が折れる。

5. 第二の形態では、依然としてまだ各商品種ごとに、その相対的価値を全体として拡大しうるのみである。言葉をかえていえば、各商品種自身は、すべての他の商品がこれにたいして等価形態にあるから、そしてそのかぎりにおいて、拡大せる相対的価値形態をもっているにすぎないのである。このばあいにおいては、もはや価値方程式―亜麻布20エレ=上衣1着 または =茶10ポンド または =小麦1クォーター等々―の両項を移し換えると、その総性格を変更し、これを総体的価値形態から一般的価値形態に転換させてしまうほかはないことになる。

6. 最後の形態である第三形態は、ついに商品世界にたいして一般的社会的な相対的価値形態を与える、それは、唯一の例外を除いて、この世界に属するすべての商品が一般的等価形態から排除されるからであり、またそのかぎりにおいてである。ある商品、すなわち亜麻布は、したがって、他のすべての商品と直接的な交換可能性の形態に、あるいは直接的に社会的な形態にある。というのは、他の一切の商品がこの形態をとっていないからであり、また、そのかぎりにおいてである(24)。

 (24) 人は、一般的な直接的な交換可能性の形態について、その形態が対立的な商品形態であって、直接的な交換可能性でない形態から、一つの電極の陽性が他の極の陰性にたいすると同じように、分離しえないものであることを、事実上すこしも見ようとしない。したがって、すべての商品に、同時に直接的交換可能性の刻印を押しつけることができるという風に、妄想を描いているようである。ちょうどあらゆるカトリック信者を、教皇にすることができると思いこんでいる人があるように。商品生産に人間の自由と個人の独立の nec plus ultra (絶頂)を見る小市民にとっては、この形態に結びつけられている不都合を、ことに商品の直接に交換可能でないということを、除くことは、むろんきわめて願わしいことであろう。この俗人的空想境の色どりを示しているのは、プルードンの社会主義である。それは、私が他の所で示したように、独創という功績すらもっていないのであって、彼よりずっと以前にグレーやブレーその他の人々によって、はるかにうまく展開されたのである。このことは、このようなこざかしさが、今日ある仲間で「科学」の名で流行するというようなことをさまたげないのである。プルードン学派ほどに、「科学」という言葉を乱用した学派はかつてなかった。なぜかというに、 「ちょうど概念のない所へ詞(ことば)が猶予なく差し出ているものだ」〔ゲーテ『ファウスト』第1部、1995、森林太郎訳による〕から。



7.
 逆に、一般的等価という役割を演ずる商品は、商品世界の統一的な、したがって一般的な相対的価値形態から排除される。亜麻布が、すなわち、一般的等価形態にあるなんらかのある商品が、同時に一般的相対的価値形態にもなるとすれば、その商品は、自分自身にたいして等価としてつかえるということにならなければなるまい。そうすると、われわれは、亜麻布20エレ=亜麻布20エレという式を得ることになる。これは内容のない繰り返しであって、そこには価値も価値の大いさも表現されてはいない。一般的等価の相対的価値を表現するためには、われわれはむしろ第三形態を引っくり返さなければならない。一般的等価は、他の商品と共同の相対的価値形態をもってはいないのであって、その価値は、すべての他の商品体の無限の序列の中に相対的に表現されるのである。このようにして、いまでは拡大せる相対的の価値形態または第二形態は、等価商品の特殊的な相対的価値形態として現われる。

 ・・・以上、 2 相対的価値形態と等価形態の発展関係 終わり・・・